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第一期小児矯正とは?小児矯正は一期のみで終わることはある?

▼目次

 
子どもの歯並びや噛み合わせの発育は、将来の口腔環境に大きな影響を与えることがあります。中でも「第一期の子どもの矯正(小児矯正)」は、乳歯と、6歳ごろから生え始める永久歯が混ざった時期に行われる治療で、顎の成長を活用して歯が並ぶ土台を整える役割を持ちます。成長を味方につけられるため、永久歯が生えそろった後の矯正とは異なるアプローチが可能となることもあります。今回は、第一期の子どもの矯正の目的や開始時期、一期のみで終了できる場合と、二期治療が必要となるケースについて解説します。
 

1. 第一期小児矯正の目的と開始時期について

 
第一期小児矯正は、子どもの成長段階に合わせて行う早期の矯正治療です。目的は「歯並びを整える」ことよりも「顎の成長を正しく導くこと」にあります。以下に、第一期小児矯正の目的と開始時期について説明します。
 

①顎の成長を利用できる

子どもの骨は柔らかいため、顎の幅を広げたり上下のバランスを整えたりしやすい時期です。これにより、将来的に抜歯のリスクを軽減できることもあります。
 

➁永久歯が生えるスペースを確保する

歯が重なって生えてしまう原因の多くは、顎の大きさと歯の大きさのバランス不足です。早い段階で顎を広げることで、永久歯が正しく生える環境を整えることが期待できます。
 

➂噛み合わせの誘導

受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)といった噛み合わせの問題に対しては、成長期のうちに修正を試みることがあります。骨格が固まる前に治療を始めることで、改善が期待できるケースもあります。
 

④口呼吸や舌の癖への対応

口呼吸や舌の位置の癖は歯並びに影響します。第一期治療では装置を用いながら、こうした習慣の改善も目指すこともあります。
 

⑤開始時期の目安

一般的には6〜10歳頃が多く、乳歯から永久歯へと生え変わる混合歯列期に行われます。ただし、顎や噛み合わせの状態によっては、より早い段階で開始する場合もあります。
 
第一期矯正は「見た目を整える矯正」というよりも、「将来に向けて整える準備」として行われるものと考えるとわかりやすいでしょう。
 
 

2. 子どもの矯正は一期治療のみで終わる?

 
小児矯正は第一期と第二期に分けられることが多いですが、場合によっては一期治療のみで経過観察となることもあります。ここでは、一期治療のみで終了できるケースの条件について紹介します。
 

①歯の生えるスペースが十分に確保できた場合

第一期治療で顎を広げ、永久歯が正しい位置に並んだ際には、追加の治療が行われないこともあります。
 

➁噛み合わせが自然に安定した場合

受け口や出っ歯の傾向が改善され、成長に伴って噛み合わせが整ったと判断された場合には、二期治療を行わずに経過を観察することもあります。
 

➂軽度の歯列不正の場合

もともと歯の並びに軽いズレがある程度であれば、第一期の介入のみで状態の改善が見られることもあります。
 

④習慣の改善ができた場合

指しゃぶりや口呼吸といった癖が第一期で改善され、その結果として歯並びや噛み合わせが安定したと判断されるケースでは、治療の継続が不要とされることもあります。
 

⑤成長の経過観察で問題がなかった場合

第一期治療後の経過観察で永久歯が整い、追加の矯正治療が行われないこともあります。
 
一期治療のみで経過を見ていけるかどうかは、歯並びの状態や成長の個人差によって異なるため、定期的なチェックが欠かせません。
 

 

3. 二期治療が必要となるケースとは?

 
第一期小児矯正で顎の成長をコントロールしても、それだけで歯並びが整うとは限りません。永久歯がすべて生えそろう時期に「第二期治療」が必要とされることもあります。以下では、二期矯正が検討されるケースを整理します。
 

①永久歯がきれいに並ばなかった場合

顎を広げても歯の大きさが相対的に大きいと、永久歯が重なって生えることがあります。このようなケースでは、二期治療での調整が行われることもあります。
 

②噛み合わせが不安定な場合

受け口や出っ歯が再び目立ってきたり、左右の噛み合わせがずれたままになったりすることもあります。成長の影響で不正咬合(噛み合わせの異常)が生じた際には、必要に応じて二期治療が検討されます。
 

③成長による骨格的な問題が残った場合

思春期に入ると顎の成長が大きく進むため、骨格のバランスに差が出ることがあります。その際には、骨格と歯の両方を調整する治療が検討されることもあります。
 

④軽度の歯並びの乱れが残った場合

第一期である程度改善しても、前歯や奥歯にわずかなズレが残ることがあります。これを整えるために、短期間の二期治療が選択されることもあります。
 

⑤より良い噛み合わせや見た目を整えるための場合

日常生活に支障がなくても、噛み合わせの微調整や見た目の改善を目的として、二期治療が行われるケースもあります。
 
二期治療は、第一期治療で整えた基盤をもとに、より精密な仕上げを行う役割を持っています。第一期を受けていた場合には、その後の治療が進めやすくなることもあります。
 
 

4. 愛知県岡崎市の歯医者 岡崎プレシオ歯科・矯正歯科の小児矯正治療

 
愛知県岡崎市の歯医者 岡崎プレシオ歯科・矯正歯科の小児矯正治療では、お子さんの成長に合わせて「なるべく歯を抜かずに整える」ことを大切にしています。早い段階から予防的に取り組むことで、将来の負担を減らし、健やかな成長をサポートいたします。

《小児矯正の特徴1》二段階で土台から整える矯正治療
小児矯正は、第一期治療(5〜11歳頃)と第二期治療(12歳以降)の二段階に分けて行います。第一期では歯列の幅や顎の成長を整え、永久歯が正しく生えるための土台づくりを行います。そのうえで、必要なお子さんには第二期治療で永久歯をきれいに並べ、美しい歯並びと正しい噛み合わせへと仕上げます。

《小児矯正の特徴2》お子さんにやさしい矯正装置の活用
当院では、お子さんの負担を軽減するためにプレオルソ(咬合誘導装置)やインビザラインファーストといったマウスピース型装置を導入しています。取り外しが可能で痛みや違和感を抑えられ、透明で目立ちにくい点も大きな特徴です。さらに精密で快適な歯型採取を実現するため、光学3Dスキャナー「iTero」を使用しています。

《小児矯正の特徴3》将来を見据えた総合的なサポート
第一期治療で口腔環境を整えることで、将来の抜歯リスクや本格治療の負担軽減を目指します。必要に応じて部分ワイヤーやインビザラインファーストのフェーズ2を組み合わせるなど、成長段階に合わせた柔軟な治療プランをご提案いたします。お子さん本人と保護者の方が納得して治療を進められるよう、丁寧な説明を心がけています。

岡崎プレシオ歯科・矯正歯科の小児矯正治療は、早期からの予防的なアプローチと成長に合わせた二段階の治療で、お子さんの将来を見据えた健全な歯並びを育てていきます。
抜歯のリスクを抑え、納得して通える矯正治療をお探しの方は、ぜひご相談ください。

 

まとめ

第一期小児矯正は、顎の成長を利用して永久歯がきれいに並ぶための準備を行う大切な治療です。顎の幅を広げたり、噛み合わせを誘導したりすることで、二期治療が必要とされない場合もありますが、永久歯の並びや成長の影響によっては、二期治療が検討されるケースもあります。成長の段階に応じた適切な判断が重要です。

小児矯正についてお悩みの方は愛知県岡崎市の歯医者、岡崎プレシオ歯科・矯正歯科までお問い合わせください。

 

監修:岡崎プレシオ歯科・矯正歯科 院長 平田貴大
 
《略歴》
2011年 愛知学院大学歯学部 卒業
2012年 愛知学院大学歯学部附属病院臨床研修
2013年 愛知学院大学歯学部附属病院臨床研修 修了
2015年 岡崎市内大手医療法人 勤務
2016年 岡崎市内大手医療法人 院長就任
2022年 岡崎プレシオ歯科・矯正歯科 開院

《資格・所属学会》
インビザライン認定ドクター
インコグニート舌側矯正認定ドクター
日本成人矯正歯科学会
国際口腔インプラント学会
日本歯科審美学会(JAED)
日本口腔ケア学会(JSOC)
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会
岡崎市歯科医師会